SATRI-IC アプリケーション設計ガイド


 



4.出力回路
 

出力回路の基本は図12、図13に示した反転回路と非反転回路です。






 

SATRI-IC自体の裸の出力は電流出力で、出力インピーダンスは技術マニュアルにある通り数百MΩあります。
そこに電流から電圧に変換するための負荷抵抗RLを接続します。
入力に対する位相は、図12のように反転出力PIN3、10からとった場合は逆相、反転出力PIN3、10と正相入力PIN9、4を接続して、正相出力PIN6、7からとった場合は正相となります。

 

この場合、RLの値は出力インピーダンスとなりますので、定インピーダンス回路の出力部として使うには、そのインピーダンスの抵抗を接続するだけでいいことになります。
また、このRLの値で周波数特性は決定されますので、決定に当たっては技術マニュアルの出力インピーダンス特性を参照してください。
SATRI回路における増幅度Aは入力抵抗Rと出力抵抗RLの比によって決まります。

 

 A=RL/R

 

ですから、図14のようにRLを可変抵抗にすることにより、増幅度Aを0からコントロールすることができます。





このために、一般の増幅器がボリュームを絞ればS/N比が悪化するのに比べて、どのボリュームの位置でもS/N比の変化はありません。
ただし、この場合、出力インピーダンスが変化しますから、バッファアンプをつけてやる必要があります。
図15のように、RLの後にバッファアンプをつけることによって、出力インピーダンスを一定に保つことができます。
図15ではジャンクションFETのバッファアンプで構成してありますが、RLの値があまり大きくないときは、バイポーラトランジスタで構成したバッファアンプでも使用可能です。




また、パワーアンプを構成するときは、図16のようにMOSパワーFETを使うことで簡単に構成することができます。





この回路では、非反転出力PIN6、7に直列にMOS-FETのバイアス調整のためのVR1、2が直列に入っています。
このために、RLを0に絞っても出力がわずかに出ます。それを防ぐためには、VR1、2に並列に数百マイクロのコンデンサを接続します。
このコンデンサもインピーダンスが低い OS-CONが最適です。










 

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